猫丸が元気だった頃、毛玉や爪、ひげをとっとくなんて思い付きもしなかった。衰えて獣医で点滴してもらった時、刈った毛を咄嗟にポケットにいれた。そうだ、居なくなっちゃうんだとアホな私はやっとそこで気付いたのだった。遅いっての。部屋に落ちていた爪と一緒に大事に小瓶に納めた。8年半居て当たり前、常識的に猫の方が先にいくだろうに、なんかずっと一緒のような気がしていた。それに猫丸とは、猫と飼い主って感じでもなかった。じゃあ何かって説明するの難しいけど。かなり小さなかばんは、猫丸を送った日、首輪に巻いたリボンを作った残り布で。左の細長い硝子瓶は、きーちゃんの抜けたひげ。ある日リビングに落ちてて集めるように。時々出して眺めたりする。きーはなんというか、うーん、孫感覚に近いか。子供って感じでもない、ばーさんが孫を猫可愛がり(笑)。サノアイさんという木工作家さん(もりのこと主宰)が猫のひげいれを作っていて、いつか入手したいと思ってる。サノさんも、猫のひげなんか集めてどうするの?と聞かれるけど、たまに眺めてにやにやしたりするのよと。わかる。